加瑠羅が何度も頷く。


「ええ。大きくなりましたよ」


「幼稚園に通ってるって聞いたよ」


「はい。もうじき、年が明けるでしょう? そうしたら、5才になります」


「早いもんだね。子供が大きくなるってのは」


葵には子供までいるんだろうか!?


信じられない!


子供がいたなんてますますショックだ!


葵に対する憎悪の念が湧きあがってくるのを感じた。


許せない!


子供までいたなんて、どれだけ嘘をついたら気が済むんだろう!?


「昨夜は、彩夏ったら喜んで『パパ大好き!』って葵に抱きついたんですよ。とっても素敵なクリスマスプレゼントを持って帰ってきたから」


「ふーん」


加瑠羅の目が妖しく光った。


「そのクリスマスプレゼントが何だったか当ててあげようか?」


「まあ、先生。透視ができるんですか?」


「少しだけならね」


「ふふっ。それなら、当ててみてくださいな」


加瑠羅は俯いて目をつぶった。


気難しい顔をわざと作っている。