会話が虚しくも終わってしまう。


部屋の静けさが私たちの存在をかき消してしまいそうだった。


「罪悪感……」


遠藤さんの声が頭に響く。


また『罪悪感』という言葉を彼は口にした。


「昨日も言ってたね。その『罪悪感』ってどういう意味?」


遠藤さんは私の質問に答えようとしない。


寝たんだろうか?


うっすら目を開けて遠藤さんの横顔を覗き見た。


遠藤さんの表情からは焦りの色が窺えた。


「さあ、どういう意味かな?」


いつもは、ゆったりした口調なのに早口だった。


「はぐらかさないで教えてよ」


「未成年の女子高生と寝たからかもしれない」


遠藤さんは言葉を濁した。


今日の遠藤さんは少し怪しい。


何かを隠しているんじゃないだろうか?


そんな疑心が初めて芽生えた。