なんだ・・・残念・・・
期待のムダだった。
そしたらまたドアが開いたんだ。
「おはようございます」
その声は、ショウさん・・・
嬉しかった。
驚きと嬉しさを隠すのは、大変だった。
冷静に「おはようございます」と言ったつもりだったけど・・・
言えていたのか、今でもハッキリとは覚えていない。
一人でパン出しをしていると・・・
ショウさんが来て、手伝ってくれた。
それで、今月で辞めることを教えてくれた。
ちょうどパンの場所が、人目につかない場所だったので・・・
手紙を渡すのは、今しかないって思って
昨日、一生懸命に書いた手紙を勇気を出して渡した。
ショウさんは、〔ありがとう〕って微笑んでくれた。
恥ずかしかったけど、渡せてよかった。
その時のショウさんの服装・・・
どこかで見たことあるような・・・
黒いエプロン・・・
もしかして・・・
憧れの名前も知らないお兄さん
その人が、ショウさんだったの・・・
髪の色も違ったし、雰囲気も違ったから全然わからなかった。
あのエプロン姿で・・・ようやく気づいた。