後ろでは顔は見えないけど小さくクスクスと笑う声が聞こえる




そのことに少し拗ねていると後ろから左手に指が絡んできた




拓実君を見るとこっちを見て微笑んでいた




私もずいぶん現金だと思うけどたったこれだけのことでさっきまで拗ねてたことさえ忘れて嬉しくなってしまう




「ねぇ…春」




「……ん?」




「好きだよ」




耳元でまた不意打ちに囁かれる




「…バーカ」