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桜の花びらがグラウンドで舞うのを見つめていた。
「松永さん、一緒に移動教室いかない?」
小さいけれど、その声はしっかりと私の耳に届いた。
ふ、と隣を一瞥すると、名前も知らないクラスメイトがいた。
「…あ、…はい」
私は何故か、同級生に対して敬語で返事をして。
そのクラスメイトと一緒に、移動教室へと向かったのだが。
「…」
「…」
終始、私達は無言のままで。
なにを話せば良いのか、全くわからなかったのだ。
それは、高校に入学してすぐのことで。
しばらくそのクラスメイトと一緒に行動をしたけれど、ほどなくして一緒に行動することをやめてしまった。