高校に入学して、もう半年が過ぎた。


この高校には、中学の同級生はほとんど受験しなかった。
むしろ、私にはその方が良かった。


だから、あまり興味も無い、同級生もいない、この高校を選んだのだ。


学力も普通くらいで、特に志望する進路も持っていない私には、この高校は全てにおいて都合が良かっただけ。



―それにしても、久しぶりに学校で声を発した…。


私は、深い溜め息を吐きながら、そっと胸を撫で下ろした。
勿論、その音さえも小さく。