気づいたときには、ゆうまに手を引かれ走っていた。


心臓がバクバクしすぎて血が逆流しそうな感覚に、あたしは幸せを感じた。


走りすぎて息切れがする。


足の指先は感覚がなくなっている。


それでも、大好きな人に手を引かれ、走る。


風は祝福するようにやさしくあたしをなでた。


「どこいくの・・・?」


あたしの問い掛けに、ゆうまは目を細くして笑った。


「どこでもいーじゃん」