「柊!撮ろう」

えっ…

そう言ったのはあたしじゃなくて。


…白石羚蘭ちゃん。
柊が一瞬こっちを見たけど、目をそらした。

本当だったら…

あたしと撮るの!って言えたかもしれない。
けど
バラすなって言われてる。

いや、それでも言ってたかもしれないね。
言えなかったのは…

嫌な予感がしたから。
柊と羚蘭ちゃんが、どういう関係なのか。

勘違いかもしれない。
それでももし、その勘違いが本当だったら…って。

考えてしまったんだ。

「ね…柊!」
「ああ」

ああ…撮るんだ。
あたしじゃなくて、羚蘭ちゃんと。

そうだよね。
断ったら、あやしいもんね。

キュッと唇を噛んでうつむく。