「いったいここはどこなんだパルス……!?」

パルスの青色の瞳と、僕の目が合う。

「私は貴方を連れて、時間転移をしました」
「時間転移って……時を渡ったのか?」
「はい。現在の時刻は、【2008年】4月11日、午後7時12分です」
「2008年4月11日……って、まさか!!」
「そう、これは転移する前の時刻、2007年4月11日 午後7時12分のちょうど1年後の世界です」
「そ……そんなバカな!?だって」
「僅か1年でこんなにも世界は変わらない……と言いたいのですか?」

あたりまえだ。
2007年は人間がいて、植物があって、夜でもあちこちに電灯が照らしていて、車も走っているし、とにかく人間の文明があるのに……こんな何にも無い世界が
今から1年後の世界なんて信じられるはずがない。
いや、受け入れられない。僕は知ってしまった。なにもかもが1年後消えるという残酷な未来を。

「そうだ!」

僕は携帯電話を取り出した。携帯の時刻は…。
確かに、2008年になっている――。

「何でだよ……?」

ここまで世界が変化するような最悪の出来事が、1年以内に起こるということか。

「この変化は突発的なものではありません」