「あ……あの……私はその……勝手な事を……言ってしまいましたね。貴方が望んでもいないのに……」
「いや」

僕は人指し指でパルスの頭を触る。

「ひゃ……」

可愛い声を上げるパルス

「話ぐらいは聞くよ」

少しの沈黙のあと

「……恐縮です」

そう答えた。パルスは律儀であると同時に、恥ずかしがり屋さんでもあるみたいだ。

「タイムトラベラーのことについて話してよ」
「え?」
「君の言っていることは嘘じゃなさそうだし、新しいことも何も無かったから正直退屈だったし、あと、君みたいに困ってる人を見てるとほっとけないしさ」

それを言うとますますパルスは顔を赤くした。
どうやらパルスは、僕がタイムトラベラーにならないと困る事情があるらしい。だからってタイムトラベラーになるとは決めてないけど、女の子には優しくしないといけないんじゃないか?相沢悠よ。
しばらくの沈黙の後、パルスは落ち着きを取り戻したのか、最初の知的な顔立ちに戻る。

「時を自由に渡ることができるタイムトラベラーは、世界の崩壊を止めるために生まれました」
「世界の崩壊だって!?」急にスケールが大きい話になったな。