「何とな……あの『空川さくら』がこのクラスに降臨なさるらしいで。」
「ぅおおおおおい!」

僕とふっくんが同時に歓声を上げた。
だって空川さくらっていえば、この学年で彼女の名前は知らないっていうぐらいの……美少女だ。
超可愛い。言っとくが、超ーー可愛い!
一平、ふっくん、そして僕も、非公式団体「空川さくら同盟」の一員だ。
容姿淡麗、成績優秀。否の打ちどころnothing at all!
女神さまキタコレ。男子に大人気は言うまでもなく、女子からもごく一部の嫉妬する連中を除けば皆から親しまれている。

「さくらちゃんがいるっていう時点で、この1年間は保障されたってもんやで! あははははは!」

共に笑う僕とふっくん。

「シーーッ! いらっしゃったってーの」

さくらちゃんが教室に入ってきた。

入るとすぐに女子達が集まって、「お久しぶり~」みたいな感じの会話が始まった。

「みんなお久しぶり~」

出た!
さくらちゃんの微笑み!
あれが僕の生きる活力になるのだぁ!
「今のうちに拝んでおこう。ありがたや~ありがたや」
ふっくんが言った。

ああ、この先学校でどんなに嫌なことがあっても行くぞ。僕は学校に。