「え!?サッカー部は男子じゃなきゃ入れないっ!?」

あたし、紅季梨乃(コウキリノ)。
今年で憧れの女子高生デビュー!!

そんなあたしは、
ずっと前から『一期高校』に
入学するって決めてた。

理由はただ一つ!
他の高校にはない、
女子サッカー部があるから!!

それなのに…、

「女子サッカー部は毎年人数が少ないので、今年から廃部になったのよ」

そんな担任の言葉に怒りを覚える。

「困ります!こっちは、小学校も中学校もサッカー一筋でやってるんですよ!?」
「気持ちはわかるけどね…。」

はあ…、
なんでこんな事になっちゃうんだろう。
一生懸命怒りを堪えながら、
自分の不運さにがっかりする。

男の子に生れてくれば
こんな事にならなかったのに。

明日から高校生活スタートなのに、
今更こんな事言われちゃって…、
もっと早く質問しとくべきだったかな。

「そうねー…、なら私に良い考えがあるわ!!」

いきなり話に入る校長先生にさえ、
驚きもしない程落ち込んでいる
自分に驚く。

「考えってなんですか?」

担任の先生が聞くと、
校長先生はドヤ顔で答えた。

「紅季梨乃。あなたが男子生徒として入学する事を、私が正式に公認します。」