「あの、今日はどうして……?」

私は、思い切って陽二さんに聞いてみた。

まさかとは思うけど、またさらいに来たとかじゃないよね?

それならあの時みたいに大勢で来るはず。



「あー……それさ、その……」

途端に陽二さんは困った顔をするとうつむいた。

「陽二さん?」

私が覗き込む様に顔を見ると、彼はごまかす様に笑ってみせる。

「やっぱ、面と向かうと言いにくいな」

「あ、じゃあ向こう向きましょうか?」

「待て待て!それおかしいから!」

私が反対側に向こうとすると、慌てて陽二さんがそれを止めた。

「―――あんたに、会いに来たんだよ!」