私がここに来たのは、西園寺くんに対する自分の気持ちを確かめる為……だったんだけど。


「……」


寝てるだけの人を見ていてもよく分からない。

分かるのは伏せられたまつげの長さと、黙っていれば怖くないって事。



私は興味を惹かれた本を手に取ると、西園寺くんの向かい側に座った。

これなら時々見ても不自然じゃないよね。



―――と、思ったのにいつの間にか私は本の内容に没頭してしまっていた。

「それ、そんなに面白いのか?」

「―――えっ?」

いつからなのか、西園寺くんがじっと私を見ていた。