「こ、告ったというかその……」
私の声は思わず小さくなる。
そんな話題、教室でされると困るよ……。
「それって、この前アイツらから助けてもらったからとか?」
この前って言うと、あのケンカに巻き込まれた時の事だよね?
「あの時は……それよりも怖いばっかりだったから」
あの騒ぎの中、とてもそんな気分にはなれないよ。
助けてくれた事には感謝してるけれど、怪我の方が気になってそれどころじゃなかった。
「―――もし、軽い気持ちで言ったんなら……今の内に『やっぱり違った』って言ってやって」
「……え」
一瞬、嘉川くんの言葉の意味が理解出来なかった私は、思わず聞き返してしまった。