「寺島ちゃん?」

「えっ!あ……嘉川(かがわ)くん」

疲れた顔で席に座る私に声を掛けたのは、いつも西園寺くんと一番仲の良さそうな嘉川真司(かがわしんじ)くんだ。


でも何だろう?

私は辺りを見回す。西園寺くんはいないみたい。

「玲なら違うクラスに遊びに行ってる」

「あ、そうなんだ……」

西園寺くんがいない時に話しかけてくるなんて、珍しいな。

嘉川くんは軽く髪をかき上げると、近くの空いた席に座る。

「あのさ、寺島ちゃんって玲に告ったって?」

「―――っ!」

世間話の様に言われ、思わず顔が熱くなる。