「何って、話してただけだよ。お前のおかげで、逃げられちまったけど」 私には、そんな風には見えなかった。 現に彼女達は怯えてたじゃない……! キッと目線を上げ、彼をニラみつける。 「……こえぇ目。震えてる割には気が強いのな」 けれど西園寺くんにジッと見られ、心臓が早く脈打つ。 後ろの男子達もニヤニヤと笑っている。 怖くて、涙が出そうだ。 でも負けたくない。