私の心音がどんどん激しくなってゆく。
恥ずかしさにもがいていると、耳元で西園寺くんが囁いた。
「ひとつ、教えてやるよ。寺島」
「な、何?」
「夏乃子は、俺の妹だから」
「ええっ……!」
今度会わせてやるよ、なんていう西園寺くんの言葉も耳に入らず私は混乱していた。
西園寺くんに妹がいる事、その妹の前ではあんなに優しく笑うって事、それに嫉妬してその妹さんを彼女だと勘違いした私―――
間抜け過ぎる。
「これからは、もっと仲良くしようぜ。寺島」
私、危険な人に好きだなんて言ってしまったみたい。
これから、どうしよう!