「キライ、だったもん」
私は一歩下がる。すると、また腕を掴まれた。
「で、今は?」
「そんな、何度も言えないよ……」
「言え」
西園寺くんの目は抗う事を許してくれそうにない。
腕も、今度はしっかりと両手を掴まれていた。
「……好き、です」
観念したように私がそう言うと、西園寺くんはふっと笑った。
「よし、許してやる」
そう宣言した途端、西園寺くんは私の腕を引っ張った。
「わっ、ぷ!」
私の体は引っ張られた勢いで、西園寺くんに倒れ込む。
そのまましっかりと抱きしめられてしまった。
ちょっと、ええ!?どうしよう!