「見たの。日曜日……文房具屋さんで」

やっとの事でそういうと西園寺くんは一瞬考え、それから『あれか』と呟いた。

「夏乃子がどうしてもって言うから……。寺島に見られてたとはな」

いかにも呼び慣れた『カノコ』という名前、見られてた事に対する気まずそうな西園寺くんを見て、私の心がズキンと痛んだ。


―――痛い。


……痛い?どうして痛いと思うの?

私は自分の心に問いかけた。


まさか、私……。

西園寺くんが、好きなの?



そう思った途端、私の身体が沸騰するかのように熱くなった。