「あのなーお前……。あんな途中で話ぶった切って逃げたら、気になるだろ?普通」
う……、それもそうだけど。
「で、俺なんか、何?」
さっきの続きを言えと促される。
「えっと……」
言葉に詰まる。
さっきまでの衝動的な勢いはもう、ない。
その時、始業のチャイムが鳴る。
「あ。もう、戻らないとっ」
私は思わず焦る。
でも、西園寺くんは顔色一つ変えない。
「言えよ、寺島」
その目に見られると私は動けなくなる。
ドキン、ドキンと、心臓が大きく鼓動を打つ。
緊張か怖れか。
それとも―――
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…