普段着の西園寺くんは制服とは違って、何だか新鮮だ。

見つかるかもしれない緊張と、不意に会った事にドキドキしていると、西園寺くんの後を女の子が追ってくるのが見えた。


「玲ちゃんってば、レジついて来てよね!」

女の子は、そう言って西園寺くんの腕にしがみついた。


その姿を見た時、何だか嫌な気持ちになってしまう。

「分かった分かった」

そう答える西園寺くんは、困った様に優しい笑顔を浮かべた。



―――何、これ。息が苦しい。



私は手にしていたノートをその場に置いて、気付かれない様に足早にお店を出た。