学校に着くと、当然のごとくといった風に西園寺くんは私の前の席に座った。

その席の本来の主は、遠慮して席に戻れないでいたりする。


あんな怪我を見れば、余計に誰も近付こうとしないのは当然だろう。

私にとってはそれは弱み。
怪我を見る度、助けてもらった事を思い出す事になる。


「なぁ寺島、今日は昼一緒に食おうぜ」

「えっ!でも……」

「あー、傷が痛い」

「う……うん、いいよ」

「もちろん食わしてくれるよな?」

「―――なっ?そんなの無理だよ!」

「昨日の、打ち身になってんだよな。実は」

「……」