工場を出てすぐ、西園寺くんは私の腕をつかんだまま勢いよく歩き始めた。
私はなかば、小走りになりながらついて行く。
「さ、西園寺くん早い……よっ」
「うるせー。さっさと帰るぞ」
その速さは、とてもさっきまで私の膝に寝転がっていた人とは思えない。
それに何か、怒ってるよね?
「ねぇ、どこ……行くのっ?」
「……」
そのまましばらく歩き続けていると、公園があった。
中へ入ると、子供が遊んでいたり、お昼をとったりしている人がいる。
西園寺くんはその片隅のベンチにドカッと腰を下ろした。
引っ張られるまま、私もそこに座る事になる。