「西園寺くんっ!」



彼は、私を誘導しながら誰もいない壁際の一角に来ると、壁に寄りかかるように座り込んだ。

「あー、イテーわ」

そう言うと、苦笑いを浮かべる。

「大丈夫……じゃないよね?」

私はどうしていいか分からず、彼の近くにかがみ込む。

「もーダメかも……」

「えっ!ど、どうしよう。どうすればいいのっ!」

「そうだな、そこ……座れよ」

オロオロする私に、西園寺くんは隣に座れと示す。

私が訳も分からず座ると、ニヤリと笑った。