「あのな、俺らはコイツにやられた仕返ししてるだけなの。オンナは引っ込んでろよ」

1人が、私に睨みを効かせてくる。

私の手のひらは冷たい汗をかいていた。

やっぱり怖い。

無謀なのは分かっているけど、こんなのは嫌だ。

「何で出てくんだよ、あんた!」

その時、少し見慣れた顔がこちらに駆け寄ってきた。

さっきの彼だ。

「ヨウジ、そいつ後ろに引っ込めろ」

赤い髪の男子が偉そうにそう言うと、困った顔でヨウジと呼ばれたその彼が私に近付く。