私は時々、頭より身体が先に動いてしまう事がある。 自分自身で、臆病な私はどこへ行ってしまったんだろうと思うほど。 この時もそうだった。 クラスメイトの女子が囲まれてるってだけで、友達でもないのに助けなきゃって瞬間的に思ってしまったのだ。 声をかけて、それから後悔した。 助けようとした事ではなく、彼と関わってしまった事に。 ―――西園寺 玲(さいおんじ れい)くんと。