何だろう。

何か、西園寺くんが優しく思える。

いつも学校じゃ、怖いとしか思った事がなかったのに。


私は、自分の気持ちに違和感を感じていた。





 食べ終えて、店を出ると辺りは夕暮れで少し暗くなり始めていた。

「暗くなんの、早いな。寺島、お前家どっちだっけ?」

「え?えっと、方角で言うとだいたい向こう……」

考えながら私が指を指すと、西園寺くんはそちらに向かって歩き始めた。

「行くぞ、寺島」

「あ、うん」

呼ばれて、慌てて追いつこうと歩き出す。

もしかして送ってくれるのかな……?