「ね、ねぇ西園寺くん……」 私の目線の先に映るのは、斜め前を歩く西園寺くん。 「んあ?何だよ」 振り向きもせずそう答える彼は、私の手をつかんだままだ。 「どこ……行くの?」 本屋さんを出た後からこの状態で、駅前の道を歩いている。 「さあな。どこがいい?」 「何でそんな事私に聞くのよっ」 何考えてるのか全く分からないよ! 「とりあえず……腹減ったな」 そう言うと、近くにあったファーストフードに入って行く。