お互いにラッピングを開けてみると、私のは可愛いスワロフスキーの飾りだった。

「わぁ!可愛い……」

私はキラキラした輝きを放つクマさんを眺める。

「これ、使わせてもらうな」

西園寺くんには暖かそうな手袋をあげた。

この前片方を落としたって言ってたから、ちょうどいいなと思ったんだ。



それから他愛ない事を話していると、気が付けば辺りは薄暗くなりはじめていた。

「そろそろ、かな?」

イルミネーションの周りに人が増えてきたのに気付いて、私はそう口にする。

時計を見ると、5時58分だった。

期待の目が集まる中、誰かがカウントダウンを始める。

「9・8・7……」

一人、二人と声が増えてゆき……そして、

「ゼロっ!」

その瞬間、その場がパッと眩しくなるほどの光があふれた。



「わぁ……!」

思わずそう言ったのと、西園寺くんが手をギュッと握ってきたのは同時だった。

「キレイだな」

西園寺くんの方を見ると、イルミネーションの光が映る横顔が綺麗でぼんやりと見つめてしまう。

ほんの少しの間でいいから、その横顔を見ていたいと思った。



来年も、出来れば……その先も。





おわり