「……西園寺くんは、蘭高のトップが代わったらまたケンカするの?」
思わず私は聞いてしまっていた。
私としては、陽二さんと西園寺くんが対立するなんて考えたくない。
「……さあな。俺は売られない限りはやるつもりはねーし」
相手次第だな、と西園寺くんは言った。
「そっか」
私がホッと息をつくと、それに反するように彼の顔が険しくなった。
「アイツの事心配してるのか」
「陽二さんの事?……私は、二人共心配だよ」
「―――二人共、か」
西園寺くんの足が止まる。
「言っとくが、俺とアイツは仲良くなる気なんてねーからな?」
「……分かってる」
「ならいい」
思わずうつむいた私の手を引くと、また歩き始めた。
落ちてゆく太陽が赤くなりだした頃、私達は目的地にしていたイルミネーションの前についた。
ライトアップはまだなので、私と西園寺くんはさっき買ったプレゼントを交換する。