ショッピングモールを出てからクリスマス一色の街並みを眺めていると、後ろからププーッとクラクションが聞こえた。
「寺島っ」
気付かず車の通り道をふさぎかけていた私を、西園寺くんが引き寄せてくれた。
肩を力強く抱き寄せられて、ドキンと心臓が高鳴る。
「あ、ありがと……」
「ったく、あんなに鳴らす必要あんのかよ」
私の肩に手をやったままで怒りをあらわにする西園寺くんの横で、私はドキドキと緊張するばかりだ。
「わ、私も悪かったから」
「こっち、歩け」
西園寺くんは私を建物側に動かすと、手をギュッとつなぐ。
さりげない優しさを嬉しく感じる。
「お、カップルはっけーん!」
前からした声に目を向けると、派手な髪の色をした5人連れが歩いてきた。
その目線は、明らかに私達に向けられている。
彼らは私達の前に立ちふさがると、ニヤニヤと笑った。
「そこ、どけよ」
すかさず西園寺くんがニラミを利かせる。
「えー、どうすっかなぁ」
わざとらしい声を出す彼らにイラッとした顔をする西園寺くん。