12月24日のクリスマスイブ、その日は平日だけど振り替え休日だったのでたくさんの人が街にあふれている。
私も、そんな人達に混ざって駅前のパン屋さんの前に立っていた。
パン屋さんからはいい匂いがしている。
お腹すいてきたなぁと思いながらガラスの向こうに並ぶパンを見ていると、ポンと肩を叩かれた。
「よ、寺島」
振り返った私の目に入ったのは、見慣れた笑みを浮かべる西園寺くんだ。
「あ、おはよう。朝ごはん早かったからお腹すいてきちゃって」
「何ならここ入るか?中で買ったパン食えるみたいだし」
西園寺くんの提案に賛成して、私達は店内に入った。
店内は彼氏と彼女と思える人達であふれている。
でも、私と西園寺くんもそうなんだよね?
そう考えると、急に気恥ずかしくなってきた。