「言っとくけど、これからもそれは遠慮すんなよ?」
「え?」
私が驚いた顔をすると、西園寺くんは眉をギュッと寄せて怒った様な顔になる。
「言っとかないと『何だか悪い』とか言いそうだからな」
うう、どうやらパターンを読まれてるみたい。
私は苦笑いを浮かべた。
「ウチには……良かったらまた来いよ」
「うん!」
ぜひ行きたいな!
もっと、学校以外の西園寺くんを知りたいし。
「でもとりあえず次は寺島んちな」
「もちろん!」
あ、でもお母さんとかは多分大騒ぎするだろうな……。
西園寺くんがビックリしないといいけど。
そんな事を思いながら、私は一人楽しくなってしまう。
「んだよ、一人で笑って」
嫌な予感でもしたのか、不審な顔をする西園寺くん。
「ごめん。でも、何だか楽しみで」
「ま、そうなら許してやるけど」
西園寺くんが私の頭を撫でる。
それが嬉しいようでくすぐったくて、私はまた笑ってしまった。
おわり