帰りも、西園寺くんが家まで送ってくれる事になった。
カノコさんはあの可愛らしい笑顔で私を見送ってくれる。
「また来てね、寺島さん!」
私も笑顔で答えて、手を振った。
「寺島、ずいぶん夏乃子と仲良くなったんだな」
手をつないでゆっくり歩きながら、西園寺くんが言った。
「あ、うん。そうなのかな?だったらいいな……」
「アイツが真司以外のヤツにあんなになつくの初めて見たし」
「そうなの?」
「見た目通りはっきりしてるからな。気に入らなかったらすぐ分かる」
「そっか……」
一体何を気に入ってくれたのかは分からないけれど、嬉しいな。
素直にそう思えた。
家の前に着いて、私は西園寺くんの方を向いた。
「今日はお家に呼んでくれてありがとう。色々知れて楽しかった!」
「おう。こっちこそ、夏乃子のワガママに付き合ってくれて感謝してる」
優しい表情で西園寺くんが笑う。
「……そういえば、西園寺くんの家ってあっち方面だったんだね。それなのにずっと送り迎えしてくれて」
私がそう言うと、彼は少し気まずそうに目を反らす。
「それは……気にすんな。言わなかったんだからさ」
「……ありがとう」