「へぇ、心配されるってのも悪くないかもな」

「ち、ちが……」

「まぁ、今のはフリだけど」

そう言って、西園寺くんはからかう様な笑みを浮かべた。

「―――嘘なのっ?」

騙された事に、私は恥ずかしくなる。

「嘘に決まってんだろ。こんな傷なんでもねぇ」

そう言い切ると、西園寺くんは自分の席にドカッと座った。

「ホントかよー?」

その途端、彼の周りをいつもの仲間が取り巻いた。
そしてそのまま、ケンカの内容で盛り上がっている。