「おれ達の停戦協定の終了宣言をな」
そう言って羽村さんは肩をすくめる。
陽二さんを見ると、黙ってカップを口に運んでいた。
そう言えば、今日は陽二さんと一度も目が合わない気がする。
「ま、アイツらとの一戦が終わった時点でそうだろうな」
予想していたとばかりに西園寺くんは頷いてみせる。
特に残念そうでも、嬉しそうでもなく。
「じゃあ、こうしてテーブル囲んで茶飲むなんてのも最初で最後だな」
そう言って楽しそうに笑ってみせた。
「……と、思ったんだけどな」
そこで、羽村さんはもったいぶった言い回しをして窓の外を見る。
「……あ?」
羽村さんの様子に、西園寺くんが疑問の表情を浮かべた。
「まぁ、後少しすりゃ卒業だしな。頭のおれも引退するし、それまでは停戦協定は続行してもらおうかと思ってな」
「……へぇ?ま、ケンカ売ってこねーってんなら俺はいいけど」