学校が終わっての帰り道、校門を出た私達の前に羽村さんと陽二さんが現れた。
「よう、西園寺」
「―――羽村。あの日以来か」
「まぁな。一応、報告に来た」
白い息を吐きながら、羽村さんはニヤリと笑ってみせる。
「報告なら、真司からだいたい聞いたけどな」
西園寺くんが隣に立つ嘉川くんを顎で示す。
「―――とりあえず、寒くてたまんねぇから移動だな」
マフラーに首をちぢこませながら羽村さんが言って、全員で移動した。
移動先はコーヒー専門のお店。
それぞれ温かくてクリームたっぷりの甘いコーヒーを手に、席に座る。
「―――で?」
一口飲んでから、西園寺くんが話をうながす。
「ああ。まぁ、この前の話は聞いたんだったな」