言ってしまった後、呆れるか怒るかするだろう西園寺くんを想像して、私はギュッと目をつむった。
けれど、反応がないのでそっと目を開ける。
「……意外と、短かったな」
そこには、いつもの様に不敵に笑う西園寺くんがいた。
「―――え?」
私は思わずポカンとしてしまう。
「もう少し後にしようと思ってたけど、仕方ねーか」
「西園寺くん……?」
真意が分からなくて目を瞬かせた私を、じっくりと楽しそうに眺めた後で彼は言った。
「寺島、俺はお前が好きだ」
「えっ!」
言われた事がどういう言葉か分かるまでに、少し時間がかかる。
分かっても、すぐには理解出来なくて。
「あの、また……からかってる?」
思わず、そう聞いてしまった。