図書室から教室に戻る間、私は人の目線から顔を背ける様にして歩いていた。

誰も私を見ているわけじゃないのは分かっていたけれど、妙に恥ずかしくて仕方がない。



教室に入る前、一瞬迷ってしまう。

西園寺くんと目が合ったらと思うだけで、平気な顔が出来ないような気がした。

けれど教室の中の西園寺くんは、机に突っ伏して寝ている。

私はホッと息をついて自分の席に座った。



 授業とホームルームが終わると、私は西園寺くんに捕まらないうちに学校を飛び出した。

久々に一緒に帰れるはずだったのに、それどころじゃなくて。

ただ、何度もあの図書室での出来事が頭を過っていた。