昼休みが来る頃には、私は急激な不安に襲われていた。



だってあまりにも一日が普通に過ぎてしまったから。

いつも通りの西園寺くんに、いつも通りの私。

あまりにもいつも通り過ぎるから、やっぱり昨日の事は夢だったんじゃないかって気がして。



―――『付き合う』って事を意識してたのは私だけなのかな?

西園寺くんにとっては、あまり気にする事じゃなかったんだろうか。



不安が募って、お弁当の味がよく分からなかったくらいに。

付き合うって何なんだろう……。


私は図書室の暖房の前でぼんやりとそんな事を考えていた。