「いーんだよ。夏乃子は妹で、寺島は彼女なんだからな。そのぐらいで当然」
―――『彼女』。
その言葉に、ドキンと心臓が跳ねた。
そっか、そうだよね。私は西園寺くんの彼女になったんだ。
そして西園寺くんは私の彼氏―――。
改めてその事を意識してしまうと、私は顔が一気に熱くなってくるのを感じた。
「ん?どうした?」
黙ってぬいぐるみに顔を押し当てた私を不審に思って、西園寺くんが覗き込む。
けれど私はまともに目線を合わせられなくなってしまった。
「―――寺島?」
「あ、うん。何でもないよ」
「……そうは見えないけどな」