「……あの、これありがとう」

ラッコを撫でながら言うと、西園寺くんは満足そうに頷く。

「女って人形好きだよなぁ。夏乃子(かのこ)も人形ばっかり増やすし……」

そう言って、呆れた様子でため息をついた。

私は以前に見かけた妹さんの姿を思い出す。
可愛い妹さんだったよね……。ぬいぐるみとか似合いそう。

「あ、妹さんにお土産とか良かったの?」

「うるせーから一応買っといた」

西園寺くんが小さい包みを取り出す。

「それのちっさいヤツ。こんくらいで丁度いいだろ?」

「そっか……。私もそのくらいのにすれば良かったかな?」

私は何だか妹さんに悪い気がしてしまう。

けれど、