けれど手を取られて、その場に留められる。
「―――それ、ヤキモチか?」
真剣な声で言われて、後ろを振り向けない。
顔が急激に熱くなるのを感じた。
「ヤキモチ……というか疑問、かな」
西園寺くんの方を見る事が出来ないまま、そう答える。
「ホントかよ」
うう、どうかもうその事はその辺で許して下さい!
「……分かった」
ギュッと目を閉じてやり過ごそうとしていると、抑揚のない声音が聞こえた。
目を開けて見えたものは、私を置いてふれあい広場を出ようとする西園寺くんだった。
「え、西園寺くんっ?」
思わず声をかけても、その足は止まらない。