「……寺島?」
急に黙ってしまった私を見て、西園寺くんが覗き込む様に見る。
「えっと……」
ごまかそうとしたけど、とっさに言い訳が思いつかない。
「何だ?」
「な、何でもない。気にしないで!」
「……んだよ、言えよ」
西園寺くんの顔が険しくなる。
ああ、これは多分回避不可能だ。
私は覚悟を決めて話す事にした。
「冬に水族館、もしかしてアイさんと来た?」
そう聞いた後、すぐに返事がなかったので見上げると、すごく面食らった顔の西園寺くんがいた。
「ごめんなさいっ、今の無し!」
私は慌てて取り消し、次のコースに進もうとする。