じっと見られて、私は西園寺くんと顔の距離が近すぎる事に気付く。 思わず、身体を後ろに引いた。顔が熱い。 「俺は、お前の気の強い所が気に入ったんだよ。そうやってすぐ怯えるクセに、な」 「……っ」 私は何も言えなくなってしまった。 仕方なく、また席に着く。 「何だ、また無視か」 俯いた私を見ながら、西園寺くんはため息をついた。