けれどいつも、いつも西園寺くんが助けてくれたよね。

何度も怖かったけど、西園寺くんがいてくれたから大丈夫だった。

それに私は。




西園寺くんが、好きだから。


前とは違って、もう気持ちははっきりしていた。


「それでも私、西園寺くんの近くにいたい」

私は、揺るがない決意をかざす様に言った。

「寺、島―――」

西園寺くんは迷いのない私の顔を見て、ただ目を丸くした。




そう、たとえ。


―――たとえ西園寺くんがまだ、アイさんを好きだとしても。

私の脳裏に、さっきの西園寺くんの五代さんへの言葉を思い出す。