「……んだ?女みたいな声だな」
耳元で声がした。
何が起こったか分からず、私の身体が恐怖から震えが走る。
目が、自然と西園寺くんの方を見た。
「寺……島?」
西園寺くんの目が驚きに見開かれる。
後ろの男子が、私のフードと帽子をはがした。
「ははっ、コイツ女じゃん!」
「は、離して……」
声も震えている。
「てめー!遥を離せ!」
陽二さんがこちらを睨みつけている。
「お前らがここから引き上げたら離してやるよ!」
どうしよう!
私のせいで状況が悪くなっちゃう!
私はもがいてみたけど、相手は強い力で離してはくれない。
西園寺くんの目も、羽村さんの目も私を責めているように見えた。
涙が、にじむ。