陽二さんが、私を後ろにかばう。
「一触即発だな」
部屋の中は窓ガラスなどがなく、みんなの姿がよく見えた。
「……久しぶりだな、羽村」
「テメエの顔なんか見たくなかったがな」
五代という人の言葉に、羽村さんが挑戦的な笑みを浮かべる。
「西園寺、お前がよそとつるむとは意外じゃねぇか」
五代さんの目が西園寺くんを捉える。
「……つるんでるワケじゃねーよ。一時的なもんだ」
アイさんは五代さんの側で蒼白な顔をしている。
「五代、自分のオンナを使うなんてホント腐ってんな」
「コイツはオレに従順なんだよ。昔から、な」
羽村さんの嫌みにも、動じる事はないみたい。
私は、アイさんが気の毒になってきた。