「明日、お前はオレ達の後ろにいる事。くれぐれも前には出るなよ?怪我でもしたら西園寺に何言われるやら」
ため息をつく羽村さんに私は頭を下げる。
「ご迷惑おかけします!でも、ワガママ聞いてもらってありがとうございます!」
「まぁ、ムチャだと思うがそういうのは嫌いじゃねぇからな」
「―――えっ!」
羽村さんの言葉に私が返事をするより早く、陽二さんの驚いた様な声が飛んできた。
「ま、まさか羽村さんっ……」
口をパクパクさせる陽二さんに羽村さんは冷ややかな目線を向ける。
「馬鹿か、何勘違いしてる。オレの好みって意味じゃねぇ」
「えっ!」
今度は思わず私が声を上げてしまった。
「……そうか、お前を手に入れれば西園寺に勝てるな」
そう言うと、チラリと目線をこちらに投げかける。
私が思わず身を固めると羽村さんはニヤリと笑ってみせた。